飲んでいるとき楽しいのは当然ですが、飲み終わったあとも楽しみが待っている、それが一人飲みです。
全部自分で決められるからです。
例えば、1軒目ましまし04のカウンターで焼き鳥とビールで時間を潰し、2軒目ニューウィングのモンフレーブでフレンチのフルコースとワインをがぶ飲みし、シメでどっかの寿司屋のカウンターで握りを頂く。
そんな胃腸を生きたまま殺すような飲み方も可能です。
完全に自由なわけです。
そんなフリーダムな一人飲みですが、最近なんとなく行っていたお店があります。
この店のウリは、一口目それほど特徴あるわけではないのに、翌日内臓の中で存在感を出してくる餃子。翌日は餃子の匂いしかしません。
そしてビールのアテにできるほど味が濃ゆいチャーハンと付属の味噌スープです。
これらが飲んだあとのシメになんとなく良かったのです。
5枚で餃子無料、10枚で南蛮ラーメンが無料となるぽん太カードがついに手元で5枚に。還元率はペイペイと肩を並べるレベル。わかりませんが。
今日は餃子をタダで食ってやろうという魂胆です。
メニューを眺めたところで以前となんら変わり無し。
運ばれてきた餃子。
いつも通り3個:2個に別れており、あぁまたぽん太に来たなあと実感させてくれます。
無料と言っても味は変化なし。
チャーハンも変わりなし。
安定してうまい。スープも然り。
瓶ビールなんて変わりっこありません。
ところが、
何か足りません。
メニューもギョーザもチャーハンも何も変わらず。見た目も味も匂いも変わりなくおいしい。
でも、何かが違う。
違うんです何かが。
情熱です。
私はぽん太への情熱を失ってしまったんです。
やっぱあっちの店のほうがいいや、なんていう心変わりじゃないんです。誰かにぽん太はやめとけなんて陰口聞かされたわけでもないし、もちろぽん太自身のせいでもないんです。
誰のせいでもなく、その安定感に私は飽きてしまったんです。
想いは想いのまま、私は熱を失ってしまいました。
まるでビリーズブートキャンプを注文した瞬間の熱が、届いたころにはすべて消えてるような刹那的情熱。あるいはこれから二人で生活していくんだと思った瞬間に訪れる不安みたいな。
私は今日ぽん太に別れを告げます。
さらば!