チーズフォンデュへの憧れ
ぼくはチーズフォンデュに人一倍憧れを抱いています。こんなにおしゃれな食べ物があったのかと。
直径1メートルはあろうかというチーズフォンデュ専用鍋がある家に生まれ、「ねえパパ、チーズフォンデュ食べよう」「うんそうだね」なんていうチーズフォンデュの話題に富む家族。
そして子供の運動会であろうとブルーシートの上でチーズフォンデュを囲むような、そんな暖かすぎる家庭に憧れていました。
いろいろ調べてみると、盛岡駅前のゑんというお店のHPで美味しそうなチーズフォンデュを見つけました。
しかもよくありがちな「二人前からお願いします」という小さい文字は無しです。

http://morioka-en.com/cuisine_list01.html
燻製とのことで期待が高まります。
えん。
このビルです。
地下にあるようです。
店内は迷路のよう。
予約したからか、案内されたのは4名のソファー席。
少し薄暗い照明は一人飲みよりデート向きでしょうか。
カラフルな人工皮革のソファー×2にそれぞれ2個のクッション。完ぺきデート向きですね。
「やってないです」
お通しは4,5種類から選べるシステム。
燻製の盛り合わせをチョイスしました。
なぜワインかというと、もちろんこのあとのチーズフォンデュを想定しての話です。大人は白ワインで、子供はシャンメリーで乾杯。それがチーズフォンデュのある家というものですよね。
そら豆の燻製が香ばしくて美味しい。
いよいよ行きますか。
チャイムを鳴らし、店員さんを呼びます。
「チーズフォンデュをお願いします」
「やってないです」
即答でした。
例えばですよ、今夜カレーだと思うと気分はカレーじゃないですか。焼き肉だと思うと、気分は焼き肉じゃないですか。このチーズフォンデュ気分はどうすればいいのでしょうか。
ウンチは学校ではしないよう努力した小学校の6年間。授業中「せんせー、クソしてきていいですか?」と聞いただけで笑いものにされた中学3年間。
義務教育期間誰ひとり、ぼくにチーズフォンデュという単語を教えてくれませんでした。英語教師でさえも。
日本の教育のシステムにあると言っても過言ではありませんよね。
ぼくのような犠牲者をこれ以上出さないために、義務教育にチーズフォンデュを取り入れるべきですよね。
しかたなく刺盛りとザンギを注文。
魚の名はほたて、ひらめ、中トロ、うに、ほか3点。
ザンギはなんとなく上質な鶏肉感はありました。
美味しいです。
しかし目的は達成できていません。チーズフォンデュです。
求む一人チーズフォンデュ可能な店情報。
ゑん。
この店はカウンターはなさそうなので、4名席を1人で使える神経なら一人飲みに向くと言えるでしょう。ソファーに横なって飲むことも可能です。